かわら版 No.1474 『高市新総裁』
2025/10/14
10月4日、自民党総裁選挙で高市早苗さんが新総裁に選ばれました。ガラスの天井を破り、女性最初の自民党総裁が誕生したことは画期的なことです。本命視されていた小泉進次郎氏は質疑応答の「紙対応」などもあり、失速しました。
松下政経塾第1期生であった私は、第5期生の入塾試験で面接を担当しました。その受験生の中に高市さんがいました。革ジャンで大型バイクに乗って現われ、ヘルメットを脱ぐとロングヘアのお嬢さんではありませんか。颯爽としていました。
いざ面接を始めると、彼女はどんな質問にも堂々と明快に答えました。頭脳明晰であると同時に肝が据わっていました。複数の面接官がいましたが、最高得点をつけたのは私でした。
私は1987年に千葉県議選に挑戦した折には、運動員として船橋に住み込んで手伝ってくれました。事務所に最も夜遅く帰ってくるのが高市さん、私のポスターを最も多く貼ったのも高市さんでした。当時からガッツ溢れる働き者でした。
このように40年以上前からご縁のある人が新総裁になり、感慨深いものがあります。近いうちに国会で論戦を交わすことになるでしょうが、天国の松下幸之助塾主に満足してもらえるような政策論争にしたいものです。そして、国家国民のための善政競争をしていきたいと思います。
と、思っていたのですが…。10月7日に発足した自民党新執行部には驚天しました。総裁選勝利の立役者が麻生元総理であることは周知の通りですが、通常キングメーカーは黒幕として背後で暗躍するものです。ところが、今般のクイーンメーカーは臆面もなく前面に出てきました。
元総理は副総裁、義弟は幹事長。総務会長まで麻生派。麻生カラーが濃厚で茂木カラーが散りばめられ、高市カラーは全くありません。派閥の解消が自民党改革の流れであったはずなのに、派閥政治の完全復活です。
また、いわゆる裏金問題で秘書が起訴され罰金刑を課せられた萩生田光一氏も、幹事長代行に起用されました。解党的出直しと言っていたはずですが、政治とカネの問題に対する反省もないのではないでしょうか。
石破執行部との間で始まった給付付き税額控除やガソリン税の暫定税率の廃止等については、高市執行部とも協議を継続したいと思います。しかし、古い自民党への回帰の動きには厳しく対峙していく決意です。
穏健な保守であった石破総理に比べると、高市新総裁はより右側に位置する政治家です。私はど真ん中の中道路線を貫いていきます。高市さんは積極財政と金融緩和を掲げ、アベノミクスを継承する立場でしょう。株価は上がっても金利と円安が心配です。私は脱アベノミクスです。格差を是正し、物価高に歯止めをかけます。