
かわら版 No.1493 『日米首脳会談』
2026/03/16
2月28日、米国はイランとの核交渉を続ける最中、イスラエルと共に「壮絶な怒り」作戦と称し大規模な空爆を行い、最高指導者等の要人を殺害しました。イラン南部の女子小学校も空爆を受け、百人以上の子どもたちが死亡しました。
イランの核開発疑惑に対する懸念は、わが国も含めて国際社会が共有しています。しかし、突然のイラン攻撃は今年1月のベネズエラ侵攻と同様に、国際法違反の可能性があります。
多くの西側の首脳は、法的評価については言及していません。トランプ大統領という虎の尾を踏むのを恐れているのでしょう。ドイツのメルツ首相にいたっては、米国・イスラエルの行動をあっさりと支持する立場を明らかにしました。欧州はウクライナを守るために米国の力を必要としているからでしょう。
一方、スペインのサンチェス首相は、米国・イスラエルによる攻撃を非難する立場を明確にしました。米国と共同で管理するスペイン南部の軍事基地をイラン攻撃に使用することも拒みました。トランプ大統領はスペインとの貿易をすべて断つと威嚇していますが、サンチェス首相は全く動じていません。
日米首脳会談が19日に開催されます。中東情勢について説明を受けた後、高市総理は如何なる立場をとるのでしょうか。世界で最も法の支配を訴えてきた日本ですから、報復されるリスクがあってもスペインのような立場をとるのか…。
大統領から対米投資や防衛費増など過大な要求を突きつけられるかもしれず、戦々恐々としながらドイツのような立場をとらざるをえないのか…。華やかな外交パフォーマンスの舞台裏で、高市総理は苦しい選択を迫られることになるでしょう。
軍事的に不利な状況に陥ったイランは、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を事実上封鎖して対抗しています。その結果、原油価格が急騰しました。原油高がさらに続けば、世界はインフレと景気悪化が同時に進行するスタグフレーションという危機にさらされます。
エネルギーの自給率が110%を超える米国に対して、日本はわずか15%程度。しかも、わが国の原油の中東依存度は94%。ホルムズ依存度は93%。中東緊迫化で最も甚大な影響を受ける国は日本です。
せっかくガソリン税の暫定税率を廃止しましたが水の泡です。電気・ガス料金も上昇するでしょう。プラスチックなど石油製品も値上がりするでしょう。円安も歯止めがかかっていないので、より物価高が深刻になります。
政府は石油備蓄の放出やガソリン補助金などで対応するようですが、最も有効な対策は、日米首脳会談で総理がトランプ大統領に事態の早期収拾(停戦)を直談判することです。「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」の真価が問われています。