
かわら版 No.1500 『利上げ見送り』
2026/05/07
初めて駅前に立ったのは1986年10月1日、JR津田沼駅北口でした。こんなに続けることになるとは思ってもみませんでしたが、いま40年めに入っています。毎回自分で書いたビラを配ってきましたが、今号でついに1500号に達しました。今後も原点を忘れずに頑張りますので、引き続きご愛読賜りますようお願い申し上げます。
日本銀行は4月28日、金融政策決定会合で政策金利を0.75%に据え置くことを決めました。中東情勢が物価高を助長しそうな懸念が強まる中、日銀は3会合連続で利上げを見送りました。
ただし、政策委員9人のうち3人が金利据え置きに反対し、利上げを求めました。次回会合は6月です。「ビハインド・ザ・カーブ」(利上げが後手に回る)に陥れば、インフレを抑えられなくなります。そして、利上げへの慎重姿勢は円安に拍車をかけ、輸入品の値上がりを招きます。
中東情勢が混迷しているにもかかわらず、日経平均株価は6万円前後と高値で推移しています。その陰で、長期金利が29年ぶりに2.5%超まで上昇しました。円も対ドルで一時160円台まで下落しました。債券、外為のみならず株式も含めたトリプル安の日本売りリスクもあり、金融市場には要警戒です。
日本銀行には「物価の番人」として、柔軟かつ機動的に政策運営に努めてほしいと思います。しかし、金融緩和を志向し利上げには否定的な高市政権に対して、臆しているように見えてなりません。
政府は3月及び6月に任期を迎える日本銀行の審議委員の後任として、2名の積極的な金融緩和を重視する「リフレ派」を決定しました。この人事は金融引き締めをけん制する政権からのメッセージです。
赤沢経産大臣が物価抑制の手法として利上げを「一つの選択肢」と語ったところ、発言を「控えていただきたい」と総理と片山財務大臣から注意されました。この苦言も4月利上げを阻むためのメッセージと思われました。
政府と日銀が密接に意思疎通することは必要です。しかし、政府がいたずらに日銀の利上げに難色を示し、圧力をちらつかせるようなことはあってはなりません。「異次元の金融緩和」はデフレ脱却のための壮大な社会実験でしたが、今はインフレの時代です。高市政権は脱アベノミクスに舵を切るべきです。
11年にも及ぶ金融緩和が、ここ数年の物価高と日本人の所得低下をもたらしました。対策は金融政策の正常化しかありません。徐々に利上げを行い、円高へ誘導するしかありません。日銀は躊躇(ちゅうちょ)なく判断すべきです。
日本は米国のように「中央銀行の独立性」が脅かされては絶対になりません。