詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1505 『立法府の総意』

2026/06/15


  衆参両院の正副議長は10日、与野党の全体会議を開き、皇族数の確保等に関する「立法府の総意」をとりまとめました。政府の有識者会議報告書がまとめた①「女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案」と、②「皇籍離脱した旧11宮家の男系男子を養子に迎える案」の2案を「了」とするものでした。


  ①案については、「皇室の歴史に整合的であり、公的活動の継続性などに鑑み、皇室典範を改正することとし、具体的な制度設計に進むべきと考える」と、力強く明記されています。


  ②案については、養子の年齢、養親の範囲、養子は皇位継承資格を持たないなどを挙げ、「慎重な制度設計」を求めています。さらに、「一定年数ごと」の見直しまで書き加えられています。


  自民と維新の連立与党は、②案を「第一優先」と主張していました。中道改革連合は、①案を「優先的な方策」と位置づけていました。正副議長のとりまとめた立法府の総意の書きぶりは、基調としてはわが党への配慮が感じられます。国民世論を意識した深謀遠慮かもしれません。


  なお、「現在の女性皇族が婚姻後は皇籍を離脱するとの現行制度の下で人生を歩んでこられたことに鑑み、経過措置として、皇族の身分を保持するか否かについて、その御意向を尊重するなど一定の配慮をすべき」という記述には、中道の考えが百%反映されています。


  「女性皇族の夫と子にも皇族の身分を付与するか」については意見の隔たりが大きく、結論は先送りになりました。が、法施行状況を踏まえての検討事項を皇室典範改正案の附則に設けることと、必要があれば「適時適切な措置を講じる」と附帯決議に盛り込むことが提案されました。


  この附則と附帯決議を根拠に、近い将来、最大の争点の決着をつけることになるでしょう。「家族は一体であるべきだ」論の私のような立場にとっては、女性天皇実現のための希望の種がまかれたことになります。「女系天皇につながりかねない」と反対する政治勢力にとっては、火種を残したことになります。


  ②案について森英介衆院議長は8日、「養子に男の子が生まれれば、皇位継承権を持つことになる」と、総意案にはないことを発言し、私も含めて多くの野党議員から批判の声が上がりました。10日の協議では陳謝したそうですが、皇位継承に関する本質的議論は封印し、皇族数の確保に絞って協議してきた与野党間の信義に反する発言でした。


  今後は、政府が皇室典範改正案などを策定することになります。法律案の骨子が出来上がった段階において事前に衆参正副議長に報告した上で、法律案の要綱が出来上がった段階で各党・各会派に対して全体会議の場で説明することになっています。


  不十分なら差し戻しもあります。修正を迫ることもあります。政府が立法府の総意を厳粛に受け止め、誠実に立案しなければ、波乱含みの展開となりかねません。


  

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