
かわら版 No.1515 『大変残念!?』
2026/08/28
千葉豪雨に続き、石川・富山等でも記録的な大雨が降りました。被害に遭われた全ての皆様に心よりお見舞い申し上げます。
8月3日発行のかわら版1512号のタイトルは、「ICCを守り、法の支配を貫け」でした。米国のトランプ政権が国際刑事裁判所(ICC)解体を主張し、圧力を強めていることに危機感を抱き一文をとりまとめました。
米国は日本にとって唯一の同盟国です。だから、ICC脱退という米国の要請に応じるべきでしょうか。それとも、日本はICC最大の分担金拠出国であり、赤根智子氏が所長を務めているのでICCを守る側に立つべきでしょうか。私は後者の立場から立論しました。
あれから約1か月経過し、事態はより深刻化してきました。米国が赤根所長らICC幹部に対する経済制裁に踏み切ったからです。個人の戦争犯罪などを裁くために設置された国際機関が、正式な司法手続を経て判断してきたことが気に入らないからといって、所長ら個人を目の敵にして制裁するのは言語道断です。
この理不尽な動きに対する高市総理の最初のコメントは「大変残念に思っている」と語るだけでした。米国への気兼ねから毅然と物を言えない外交姿勢こそ「大変残念」です。
わが国はロシアによるウクライナ侵攻や、中国による東・南シナ海での威圧的な振る舞いを厳しく批判してきました。同様に同盟国とはいえ米国の専横も黙認してはなりません。力による平和に傾斜する米国を戒め、「法の支配」の重要性を説き続けることも同盟国の役割ではないでしょうか。
総理は9月下旬にニューヨークで開催される国連総会に出席する予定です。国際法違反の疑いがある軍事行動が繰り返されている今、総理が一般討論演説で法の支配の危機を訴え、ICCを守ろうと国際社会に呼びかけたらどうでしょうか。
日本が戦後一貫して主導してきた法の支配が岐路に立っているとともに、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という「非核三原則」も揺らぎ始めました。
政府は年末にむけて安全保障関連3文書を改定しようとしていますが、その関連で非核三原則の見直しが取り沙汰されています。総理も非核三原則を将来も堅持すると明言したことがありません。
しかし、広島と長崎の原爆投下による凄絶さと悲惨さを経験した唯一の戦争被爆国にとって、非核三原則は国是であったはずです。国是は断固として堅持すべきです。そして、三原則を堅持するにとどまらず、核なき世界の先頭に立つことこそ被爆国の使命です。