詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.914 『タスキ』

2013/08/05

  内閣総理大臣の職務とは、初代首相の伊藤博文から綿々と受け継いできたタスキを持って走る、ゴールのない駅伝のようなものでした。転んだり、走るのをやめたり、コースから外れることは国が滅ぶことであり、決して許されません。経験者しかわからない重圧との戦いでした。


  95代目のランナーとなった私は、巡り合わせとはいいながら、震災復興、原発事故や長引くデフレとの戦い、歴代政権が先送りし続けてきた社会保障と税の一体改革、尖閣諸島の国有化など、大きな困難ばかりに直面しました。箱根駅伝でたとえるならば、険しい上り坂の5区の担当走者でした。ぜいぜいと息を切らせながら駆け登っている時に、身内から足を引っ張る者まで現われました。それでも、国家国民のために全力で走り抜けました。その評価は、歴史に委ねます。


  安倍晋三総理は、箱根6区の担当走者です。下り坂を軽快に駆け降りています。でも、上り坂よりも下り坂の走り方のほうが難しいといわれています。調子に乗ってスピードを出し過ぎると、足を痛めます。転倒する危険もあります。坂を下る時のランニングには、細心の注意が必要なのですが…。


  案の定、麻生太郎副総理兼財務相からは、憲法改正に関連しドイツのナチス政権を引き合いに「あの手口、学んだらどうかね」という信じられない暴言が飛び出しました。こんな調子で、下り坂を暴走されたらたまったものではありません。


  政権の暴走に歯止めをかけるのが野党の役割です。とりわけ、与党経験のある民主党の責任は大きいと思います。タスキを掛けた経験のある私も、危うい走り方を厳しくチェックしていく決意です。

 

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