詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.924 『提督の第二の人生』

2013/10/21

  臨時国会が始まりました。先週は、安倍総理の所信表明演説が行われ、それを受けて各党の代表質問も一巡しました。総理のご様子は、とてもテンションが高くすこぶるお元気そうでした。第1次安倍内閣の時は、所信表明演説の直後に体調不良を理由に突然退陣されましたが、どうやら難病も克服されたようです。大変ハードな海外や国会の日程も精力的にこなされており、同慶の至りです。やはり、一国のリーダーはまずタフでなければなりません。


  私も、財務大臣や総理大臣を務めた時は、殺人的なスケジュールでした。でも、親が丈夫な身体で産んでくれたお蔭で、健康上の不安は全くありませんでした。ですから、とことん働くことができました。


  総理を辞めた後は、さすがに疲労も蓄積していたので、入念に体調をチェックするようになりました。肝機能、コレステロール、血糖値、尿酸値、どれもこれも高い数値です。でも、高値安定はしていますが、精密検査や入院治療を要するほど一線は越えていません。絶妙なボディバランスと言えるでしょう。


  少しイントロが冗長になりましたが、本題に入ります。健康診断の要は、血液検査です。いまは、注射器で3本分位の血液を抜き取り、数日後に検査結果が判るというのが一般的です。このやり方が抜本的に変わろうとしていることを、先般の訪米で初めて知りました。


  それは、ゲイリー・ラフェッド前海軍作戦部長と夕食を共にしている時でした。ラフェッド氏は、第2艦隊、NATO艦隊、太平洋艦隊の司令官などを歴任し、第29代海軍作戦部長を務めた大提督です。安全保障を巡って大変有益な意見交換ができましたが、私が一番感銘を受けたのは、彼が海軍を退役した後の第二の人生でした。


  ラフェッド氏は現在、ある民間会社の役員をしています。その会社こそが、上場寸前の血液検査のイノベーション(技術革新)を起こそうとしている会社です。何と、指先からほんの一滴血を採取するだけで約1千項目の検査を行い、5分後には結果が全て判るというのです。その革命的手法に驚くと同時に、その創業社長が29歳の女性であることにもっと驚きました。彼女は、19歳の時から研究開発を始め、とうとう実用化の段階に入ったということです。


  安倍総理は国連総会において、「ウィメノミックス」(女性が輝く社会をつくること)を、とってつけたように演説しました。でも、米国では既に、海軍の大提督が29歳の女性の夢と志に第二の人生を賭けようとしているのです。債務上限問題で醜態をさらした米国ですが、一方でこの国のダイナミズムはやはり驚嘆に値します。

 

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