詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.952 『離島の守り』

2014/06/02

  与党において、政府が集団的自衛権の行使容認や法整備が必要としている3分野15事例の議論が始まりました。

  その事例1が、離島などにおける不法行為への対処です。領土・領海の治安維持については警察や海上保安庁が第一義的な対応の責任を有しています。他方、自衛隊は、海上警備行動や治安出動が発令されれば対処が可能ですが、発令手続を経ている間に不法行為による被害が発生する可能性も否定できません。日本の領土を断固として守るため、こうしたいわゆるグレーゾーン事態に対して丁寧な議論を進めてもらいたいと思います。

  私が総理であった2012年の終戦記念日(8月15日)、香港の活動家らが尖閣諸島の一つ魚釣島に上陸するという事件が発生しました。この時、政府は活動家らの上陸を阻止すべく、関係省庁による綿密な対応策をまとめていました。

  まずは、海上保安庁が香港の抗議船に対して、領海内に侵入しないように警告。さらに巡視船を使って抗議船の進行方向を遮るなど進路規制や放水活動も実施しましたが、残念ながら強行突破されてしまいました。

  次の防衛ラインは、上陸した活動家を直ちに水際で入管難民法違反容疑で現行犯逮捕することでした。そのために、沖縄県警の警察官など約30名を事前に島に上陸させ、待機させていました。この重層的な体制は、2004年3月の小泉政権の時に中国の活動家が魚釣島に強制上陸し、中国の国旗を掲げたり灯台などを器物損壊したことの反省によるものです。活動家が上陸してから沖縄県警を派遣したために、その間に乱暴狼藉が行われてしまったのでした。

  結果として、この作戦は功を奏し、沖縄県警と第十一管区海上保安本部は上陸した7人を含め、合計で14人を速やかに現行犯逮捕し、直ちに沖縄本島に移送しました。

  その後、海上保安庁の機能強化のために、海保が海上だけではなく、島に上陸しても活動できるように法改正も行いました。

  2012年8月の事件の際は、海上保安庁と警察の連携によって対応しました。しかし、相手が武装していた場合も想定する必要があります。だから、私は国会答弁で「尖閣諸島を含め領土、領海で周辺国による不法行為が発生した場合は、必要に応じて自衛隊を用いることも含め、毅然として対応する」と、述べたことがあります。

  野党も含めて、大いに議論を尽くしていくべきでしょう。
 

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