詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.975 『解散!?』

2014/11/17

  今週中に安倍総理は衆議院を解散するでしょう。解散は内閣総理大臣の専権事項ですから、私たちは受けて立ち、堂々と戦うのみです。さはさりながら、なぜ今総選挙をしなければならないのか、その大義がわかりません。

  景気回復が遅れているので、社会保障の充実・安定化と財政健全化を同時達成するための民主・自民・公明の3党合意を破棄し、来年10月からの消費税率の10%引き上げを延期することの信を問う、というのが表向きの名分です。誰だって基本的には増税は嫌です。その上で政権与党が「景気が悪いので再増税を延期してもいいですか」と問えば、皆こぞって「延期すべきだ」と思うに決まっています。その追い風を期待しているとしたら、これほど卑しいポピュリズム政治はないでしょう。

  3党合意を主導した私だって、政権与党が景気回復に自信がもてないと認めるなら、さすがに再増税延期は仕方がないと思います。何が何でも消費税を上げろという野党議員がいるでしょうか。すなわち、消費税増税は争点にはならないのです。本来ならば、国民に信を問うのではなく、国益を考え敢えて不人気な増税という重たい政治判断を下し、責任を共有し合おうとした3党合意の当事者たちに、方針転換の説明をするのが筋ではないでしょうか。少なくとも、民主党に対する説明はありません。一方的な公党間の合意破棄です。党首討論で約束した議員定数の削減も果たされませんでした。

  そもそも、なぜ臨時国会を開いたのでしょうか。安倍政権の看板政策である地方創生や女性の活躍を推進する法案を成立させるためであったはずです。それらの法案は審議未了・廃案になる見通しです。重要法案を犠牲にしてまで、なぜ解散・総選挙を急ぐのでしょうか。

  透けて見えてくるのは、疑惑隠しの魂胆です。女性が輝く社会を掲げる安倍政権は、ある意味、確かに有言実行でした。カメラのフラッシュを浴びながら、女性閣僚2人が辞任しましたから…。政治とカネの問題で疑惑をもたれている閣僚は他にもいます。総理は、第1次安倍政権の時のように閣僚のドミノ辞任がデジャブーのように再現されることを極度に恐れているのではないでしょうか。

  11月下旬には、直近の政治資金収支報告書が公表されます。そこには、安倍政権にとって致命的なダメージにつながる報告が含まれているのかもしれません。解散すれば、国会の追及はなくなります。総選挙に入れば選挙妨害になりますので、メディアも特定の政治家の疑惑報道は控えます。選挙後に内閣をリセットすれば、疑惑隠しは成功するのです。

  ここまで勘ぐりたくなるほど、解散の大義が判然としません。だからこそ、党利党略に負けるわけにはいかないのです。
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