詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.976 『アベノミクスの失敗』

2014/11/25

  21日、安倍総理が衆議院を解散しました。前回総選挙から2年しか経っていません。自民党の高村副総裁は「念のため解散」とうそぶいていましたが、「何のため解散」かさっぱり判りません。この大義なき解散に選挙費用として700億円もの国民の血税が投入されるのです。2四半期続けてマイナス成長になったのですから、政治空白をつくらずに700億円も含めて早急に経済対策をこうずるべきではないでしょうか。


  総理は18日の記者会見で「税制こそ議会制民主主義と言って良い。その税制において大きな変更を行う以上、国民に信を問うべきであると考えた」と述べました。新たに課税を実施する場合はそのとおりです。しかし、景気判断によっては消費税引き上げを延期できることは既に法律に定められており、あえて国民に信を問う理由になりません。「代表なくして課税なし」の自分勝手な解釈です。


  そして、消費税再引き上げの延期は景気回復が遅れているからと言いながら、なぜ総選挙の実施により約1か月もの政治空白をつくるのでしょうか。予算編成は越年間違いなし。来年1月中旬頃に閣議決定になるのではないでしょうか。自ずと国会への提出も遅れ、国会審議のスタートも遅れます。来年度予算の年度内成立は困難です。デフレ脱却を急ぐと言いながら、景気回復はより一層遅れるでしょう。


  大義なき解散に国民は明らかに白けています。だから、低投票率になる恐れがあります。それこそ、安倍総理の思う壺(つぼ)です。組織型選挙が得意な上に公明党との選挙協力も加わり、低投票率は自民党にとって有利だからです。幻想をふりまいたアベノミクスの化けの皮が剥がれる前に、さらに4年間の任期を確保し長期政権をめざす狙いがあるのでしょう。自民党岐阜県連も大義なき解散に反対決議したほどですから、党利党略よりも安倍総理本人の「身勝手解散」です。


  真の争点は、アベノミクスの是非に尽きます。公明党の山口代表は9月、「消費税を上げないとなればアベノミクスがうまくいかなかったからだと烙印を押されるだろう」と指摘しました。全くそのとおりです。アベノミクスの失敗こそが厳しく問われるべきです。


  水がポタポタと滴り落ちることを、英語ではトリクルダウン(trickle down)と表現します。アベノミクスは「富裕層がさらに富裕になると、経済活動が活発化することで低所得の貧困者にも富が浸透し、利益が再分配される」というトリクルダウン理論に基づいています。途上国の発展過程で効果はあっても、先進国では格差拡大を招くことがわかっている時代遅れの理論です。


  円安で輸出企業は儲かるようになり、株高で大企業は収益を改善し、資産家はより豊かになっています。しかし、働く人や中小企業や地方にポタポタとその恩恵は浸透していません。むしろ、格差が拡大し二極分化しています。実質賃金は15か月連続マイナスです。すなわち、消費税の引き上げ前からということです。アベノミクスは根本的に誤っています。
 

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