詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.982 『邦人人質事件について』

2015/02/02

  「イスラム国」を自称する過激派集団ISIL(アイシル)による邦人人質事件は、許しがたい暴挙であり、強い憤りを禁じえません。そして、ご家族のご心痛は察するに余りあり、言葉もありません。


  もとより、人命にかかわる問題に与野党の違いはありません。民主党も懸命に努力する政府を後押ししてきました。通常国会が始まったばかりですが、緊急事態が起こった場合には国会審議の最中でも関係閣僚が退席できるようにするなど、国会運営にも最大限協力してきました。


  その前例は、私が国会対策委員長の時につくりました。2004年4月、イラクで邦人3名が武装勢力によって誘拐された時でした。人質救出こそ最優先と考え、緊急時には関係閣僚の答弁を求めないよう与野党で合意しました。


  そのような思いに到ったのは、あるエピソードが契機でした。当時は小泉政権。逢沢一郎外務副大臣が現地に派遣されることになりました。その逢沢氏が成田から飛び立つ直前に、私に電話をかけてきました。幾つかの事を私に託す内容でした。彼とは所属政党は異なりますが、松下政経塾の同期生であり、無二の親友でした。淡々とした口調でしたが、私には遺言のように聞こえました。「よど号ハイジャック事件」の時に、当時の山村新治郎運輸政務次官が乗客の身代わりになったように、恐らく自分が人質3人の身代わりになる覚悟だったのでしょう。


  政府の中に命がけで職責を果たそうとしている人がいる時、野党が足を引っ張るようなことは絶対にやってはいけないと強く思いました。幸い、その後人質は無事解放され、逢沢氏も晴れて帰国することができました。


  今回の卑劣なテロ行為についても、人質救出を最優先し、政府の対応の検証や追及は封印してきました。しかし、何らかの区切りがついた段階で、徹底的に検証しなければならないと思います。

 

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