詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.994 『安保法制審議入り』

2015/06/01

  私が総理在任中に政治生命を賭けた「社会保障と税の一体改革」の関連法案は8本あり、その総質疑時間は戦後2番めの長さとなる約230時間を要しました。社会保障の充実と安定のためとはいえ消費税増税という形で国民にご負担をお願いするわけですから、連日フラフラになりながらも丁寧な答弁を心がけたつもりです。


  先週から集団的自衛権の行使などを可能にする安全保障関連法案が、衆院で審議入りしました。憲法の解釈を変え戦後の安全保障政策の大転換を図り、国民の生命と平和な暮らしに直結する11本の法案ですから、消費税以上に時間をかけた丁寧な議論が必要だと思います。


  安全保障法制に関する民主党の考え方は、「専守防衛に徹し、近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」というものです。この立ち位置に基づき、外国軍による武力攻撃などの有事であれば自衛隊が反撃して日本を防衛しますが、有事とまで言えないような「グレーゾーン事態」(日本の領海や離島などへの不法な侵入など)については、海上保安庁や警察、自衛隊の連携を強化して迅速に対応できるようにする新たな「領域警備法案」等を提案しています。


  さて、序盤の議論で強い違和感を抱いたことが2つあります。


  まず第1は、わが党の岡田克也代表が再三、「自衛隊員のリスクが高まるのではないか」を質問していますが、安倍総理が真正面から答えようとしないことです。自衛隊の活動範囲が広がるのですから、リスクが高まるのは当然ではないでしょうか。たとえば、PKO法改正案では、任務遂行のための武器使用が緩和される内容となっています。武器使用の緩和は、リスクが高まることの証左ではないでしょうか。隊員のリスクが高まったとしても、自衛隊を活動させる意義や必要性などを堂々と説明するのが、内閣総理大臣そして自衛隊の最高指揮官のあるべき姿だと、自衛官の倅(せがれ)である私は思います。


  集団的自衛権を行使して対処しなければならない事例として、ホルムズ海峡における機雷掃海を盛んに挙げますが、これにも違和感があります。いま誰がホルムズ海峡に機雷を敷設するのでしょうか。イランは核交渉で米国と接近中です。サウジアラビアやオマーンが機雷をばらまくはずがありません。イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)は海軍を持っていません。あまりにも現実感のない例示です。


  政府には、誠実かつ説得力ある答弁を求めたいと思います。

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