かわら版 No.1027 『待ったなし‼』
2016/02/08最大2.13倍の1票の格差となった2014年12月の衆院選挙無効を求めた訴訟で、最高裁は昨年11月25日、「違憲状態」と判断しました。民主主義国家では有権者一人ひとりの1票の投票価値は同等であるべきであり、平等に反する状況が放置されることは許されません。選挙の違憲性と無効を求める訴訟がたびたび繰り返されるのは、誠に残念なことです。
私は、この1票の格差是正と議員定数削減を同時に実現する選挙制度改革を、早急に成立させるべきだという立場です。格差の是正は定数をふやす方法(これまでの千葉県議会など)もあります。が、国会議員は社会保障の充実・安定化のためとはいえ消費税引き上げを国民にお願いするわけですから、定数削減という形で自ら身を切る覚悟を示すのが筋だと思うからです。
1票の格差是正と議員定数削減の早期成立は、2012年11月14日の党首討論で、当時総理であった私と安倍自民党総裁が国民の前で交わした約束でもあります。この約束の実現を前提に、私は野党自民党などの要求を受け入れ、翌々日に衆院を解散しました。その代償はあまりにも大きく、多くの同志を失う結果となりました。
しかし、その後3年以上たちます。安倍総理・自民党総裁は約束をほごにしたままです。この間、民主党をはじめとした各党の改革提案に一切応えていません。無責任の極みです。
政党間協議が整わない状況が続き、安倍総理は衆院に選挙制度改革に関する有識者調査会を設置しました。第3者機関の検討結果が出るまで、時間を稼げると踏んだのでしょう。調査会は16回会合を重ね、ついに1月14日、衆院議長に答申しました。答申は、小選挙区6、比例区4の合わせて10議席を減らす案でした。
率直に言って、定数の削減が不十分です。しかし、今さら異論を言い出したらきりがありません。これ以上、この問題を先送りすることは絶対に許されません。衆院議長も1か月を目途に各党が結論を出すように求めています。
にもかかわらず、自民党内では自分たちの議席を守るために、10減案に対してすら反対する動きが強く、結論を先延ばししようとしています。選挙があるたびに大胆な定数削減を掲げてきた自民党は、これくらいの削減は文句を言わずに直ちに賛同すべきでしょう。民主党は、不十分な削減数とはいえ、削減しないよりは良いという立場で、党内はまとまります。あとは、自民党が答申を受け入れるかどうかです。すべて、私と約束を交わした安倍総理のリーダーシップにかかっています。
党首討論の後、民・自・公の3党は、翌年の通常国会中に選挙制度改革の結論を得ると、覚書も交わしています。総理は忘れてしまっているのでしょうか。