詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1037 『若者の学びを社会で支える』

2016/04/18

  1か月ほど前、都内の青梅で講演しました。対象は約150人の大学生。60分内外情勢について語り、30分質疑応答という形式でした。予想以上に手が挙がり、活発な意見交換になりました。そして、最後に指名された男子学生の発言に、深い感動を覚えました。


  「僕は、民主党政権時に導入された高校授業料無償化のお蔭で、高校を卒業することができました。そして、いま国立大学で学んでいます。質問ではありません。一言感謝したかったのです。ありがとうございました。」


  千葉県市原市からやって来た彼は、1人親の貧しい家庭で育ちました。高校進学も諦めようとしていた時、家庭の収入や経済状況に拘わらず、すべての高校生が安心して通えるように、公立高校では授業料無償化、私立学校では授業料助成が実現され、彼は救済されたのでした。今は、千葉大学教育学部に在学中だそうです。きっと将来は、立派な教師になるでしょう。


  若者の感謝の言葉を聞いて、久し振りに政治家冥利に尽きる思いがしました。人が幸福になった時、自分も幸福だと思える瞬間でした。


  同じ会場で、「奨学金を利用している人はどれ位いらっしゃいますか」と問うたところ、約半数が挙手しました。私の学生時代は2割程度であった奨学金利用者は年々増加し、いまや大学生の2人に1人が何らかの奨学金を利用している実態を改めて知ることができました。


  わが国の奨学金の約9割は貸与型で、その多くが利息の付く奨学金という名のローンになっています。そして、卒業しても十分な収入が得られず、返済に苦しむ若者が増え、延滞者は33万人に及んでいます。奨学金返済が結婚の妨げとなったり、利用者同士が結婚した場合には2人分の返還を負うことになり、出産や子育てなどへの悪影響も懸念されています。


  若者たちが、学ぶために多額の借金を背負って社会に出ていく今の状況が続けば、この社会は成り立たなくなります。そのためには奨学金改革が急務です。貸与型奨学金については、利息・延滞金のない無利子の奨学金に改善すること、そして、世帯の収入など一定の要件の下、給付型(渡しきり)奨学金を創設することが柱になるでしょう。


  OECD加盟の先進34か国のうち、半数近くの国は大学の授業料が無償で、32か国に公的な給付型の奨学金制度があります。大学の授業料が有償で、国による給付型奨学金制度がないのは日本だけです。


  かつて民主党は、子どもの育ちや若者の学びを社会で後押しすることに力をいれました。高校授業料無償化はその1つです。アベノミクスでより格差が拡大している今日、民進党は子育てや教育を社会で支援する施策を一層積極的に推進していく決意です。給付型奨学金の導入を柱とする奨学金改革はその代表例です。

 

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