詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1042 『衆参ダブル選!?』

2016/05/30

  衆院選の「1票の格差」を是正し、議員定数を10削減するための関連法が、5月20日成立しました。衆院議長の諮問機関が答申した抜本改革が2020年の国勢調査以降に先送りされるなど、手放しで賛成できる内容ではありませんでした。しかし、3年半前の党首討論で交わした約束である「身を切る覚悟」が、ようやく不十分ながらも前進する運びとなりました。


  膠着していた事態が大きく進展する契機となったのは、2月19日の衆院予算委員会における私の質問だったと自負しています。さすがに安倍総理も、前総理に詰問されて立ち往生する姿を晒したくなかったのでしょう。ようやく重い腰を上げ、定数削減にむけて舵をきりました。


  しかし、新定数(465)が適用されるのは、区割りの変更作業や周知期間が必要なため、来年夏以降となる見込みです。それまでに衆院が解散された場合、最高裁が「違憲状態」と断じた現行制度のまま選挙が行われることになります。


  その可能性は否定できません。7月の参院選に合わせて衆院選を行う衆参同日選もあり得ます。解散権は内閣総理大臣の専権事項ですから、われわれ野党は「待った」はできません。受けて立つのみです。


  しかし、ダブル選挙の場合、有権者は混乱するでしょう。投票所に行くと、衆院選の選挙区⇒同比例代表⇒最高裁裁判官国民審査⇒参院選の県選挙区⇒同比例代表の順に、5回も投票しなければならないのですから。記載台の前でとまどう人がたくさん増えることになるでしょう。


  選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法は、国政選挙の場合、施行日の6月19日の翌日以降に公示される選挙から適用されます。すなわち、18歳になって初めて投票参加する若者たちが、いきなり5枚の投票用紙を渡されることになるのです。政治への関心の高い、投票経験も豊富な有権者でも尊き清き5票を有効に活用するのは相当に大変でしょう。若者たちは、右往左往するのではないでしょうか。懲りて2度と投票に行かなくなるかもしれません。


  このタイミングの解散・総選挙は、違憲状態のまま、有権者(特に若者)を当惑させるものであり、政治改革の精神から大きく逸脱しています。しかも、参院議員の半分、衆院議員の全員が失職し、政務3役(大臣、副大臣、政務官)の大半が選挙運動に忙殺される状態で、梅雨に入り地盤がゆるむ中、震度6の余震が発生するかもしれない熊本・大分の危機管理は大丈夫なのでしょうか。


  いずれにしても、人としていかがなものか解散があるか否かは、会期末(6月1日)までにわかります。そして、ダブル選はなくても、年内の解散、違憲状態の総選挙は十分にあり得ます。

 

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