詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1058 『叡智』

2016/10/17

  長い人類の歴史の先端を歩み行く私たちは、祖先たちが過去に経験したことのない、複雑で変化の激しい時代を生きています。この未知なる時代を生き抜いていくために、今試されているのは、知識や情報の量ではありません。人類が培ってきた数々の叡智の真価が問われていると、私は考えます。


  人類が獲得した第1の叡智。それは、「今」だけでなく、「未来」を慮る能力です。人類が新たな地平を拓くきっかけとなった農耕社会の成立は、「目の前の今」ではなく「収穫の時」を待つ、という未来を見る視点を人類が獲得できたからこそ、もたらされたものです。


  今こそ、この叡智を発揮し、将来世代を慮って、持続可能な未来を構想しなければなりません。しかし、11日に成立した平成28年度第2次補正予算は、財源の大半を国債に依存しており、次の世代に対して極めて無責任なものでした。解散・総選挙も近いといわれていますが、次の選挙を強く意識しているのでしょう。


  人類が獲得した第2の叡智。それは、私たちが住む地球を俯瞰するという視点です。「地球を外から眺める」という視点を手に入れたからこそ、地球環境を守る崇高な使命は、人類全体に共有されました。私たちは常にこの視点に立ち返って、国境を越えて、人類全体の存続の基盤である地球環境を守る取組を具体的に進めなければなりません。


  ところが、2020年以降の温暖化対策を定めた「パリ協定」を、日本は11月4日の発効までに批准できない見通しです。米国や中国、EUやインドなど主要国のスピード批准の流れを完全に見誤り、今国会はTPPを最優先とし、パリ協定は来年の通常国会でいいと判断していたからです。


  温暖化ガス削減目標の条件や、目標が守られなかった際の対処策が議論される会議に、未批准の日本はオブザーバーで参加するしかありません。国益に反することが日本抜きで決まることになりかねません。京都議定書などこれまで議論をリードしてきた日本の大失態です。安倍総理は「地球儀を俯瞰した外交」を唱えてきましたが、フカンではなくポカンとしていただけではないでしょうか。


  人類が獲得した第3の叡智。それは、互いの間の紛争をルールに基づいて理性的に処理するという作法です。世界の各地では、領土や海域をめぐる紛争が未だ数多く存在していますが、「法の支配」に則って平和的に解決していかなければなりません。


  近年、力による現状変更の試みの最たるものといえば、ロシアによるクリミア併合です。ロシアは、ウクライナで力による現状変更を試み、また南シナ海の仲裁判決を無視する中国の姿勢を支持しています。欧米諸国等が経済制裁を継続している中で、ロシアとの経済協力に前のめりになっている総理の姿勢が心配です。

 

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