詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1067 『国会を終えて』

2016/12/19

  17日、2度にわたる会期延長を経て、ようやく臨時国会が閉会しました。TPP、年金カット法案、カジノ法案など国民生活に多大な影響を与える重要な法律案等が審議されました。しかし、信じられないことですが、これらの法案等の全てが、十分な審議時間も取られないまま、強行採決されました。


  まずは、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)です。民進党は、輸出・投資を拡大して国富を増幅し、わが国の生活者・消費者に恩恵をもたらすため、高いレベルでの経済連携を実現することが極めて重要と考えています。先の参院選でも、経済連携を積極的に推進すべきという立場を明確にしております。


  ただし、個別の経済連携協定の是非を判断するに当たっては、どのようなメリットが得られ、また守られるべきものがしっかり守られているか、その中身を十分に見極めることが必須であると考えております。その点、今回のTPP協定の内容は極めて不十分と言わざるを得ませんでした。


  いずれにせよ、米国抜きでTPPは発効しません。今後、各国はTPP発効を前提としない、新たな経済連携の枠組みに向けた動きを強めていくでしょう。しかし、安倍総理は、この状況下においても、国内における強い反対を押し切って突き進んでおり、国際的な潮流からわが国だけが遊離してきています。


  次に、年金カット法案です。最大の問題は、物価が上がっても賃金が下がれば年金が下がる新ルールです。この年金カットのルールが発動されると、1度下がった年金は2度と物価に追いつくことがなく、受給開始後の年金の実質価値は一方的に下がり続けかねません。しかも、物価が上がっても賃金は上がりにくいのがアベノミクスです。


  これでは年金受給者の生活、年金の所得代替率が3割カットされる将来世代の老後生活が成り立たなくなります。その結果、生活保護に頼らざるを得ない高齢者が激増して、年金財政は帳尻が合っても、生活保護で国の財政が大赤字になるだけです。今こそ、生活していける年金額の確保、世代間公平の向上に向けた年金制度改革に真摯に取り組むべきです。


  最後は、いわゆるカジノ法案です。カジノ推進の立法目的に経済の活性化が掲げられていますが、その効果の検証が不十分です。米国のアトランティックシティ、マカオ、韓国などのカジノでは、減収や撤退がみられています。


  賭博であるカジノの違法性阻却、マネー・ロンダリング対策、治安対策、ギャンブル依存症問題など多岐にわたる論点があったにもかかわらず、衆院では僅か5時間半しか審議されませんでした。さらに、質疑の際に「質問がない」と言って般若心経を唱え、審議を放棄した自民党の議員すらいました。


  横暴かつ強引な国会運営は、政府・与党のおごりです。改めて、同志をふやさなければならないと強く思っています。

 

 

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