詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1101 『危機に備えて』

2017/09/19

  北朝鮮が核、ミサイル開発を急速に進歩させ、世界を不安にさせています。9月3日の核実験は過去6回の実験の中で最大規模のものでした。この事態を受けて、国連安保理で新たな制裁が合意されました。当面はできるだけ外交的圧力を加える以外に方法はないでしょう。その効果と「北」の反応を注視していきたいと思います。


  折しも、党の外交・安全保障調査会会長を拝命しました。この危機に際し如何に対処すべきか、現実的かつ多角的に検討していく決意です。


  安全保障分野以外にも、様々な危機があります。テロやサイバーテロ、ハイジャック。航空機や鉄道といった公共交通機関などの重大事故。地震や豪雨などによる大規模自然災害。新型インフルエンザなどいわゆるパンデミックと呼ばれる重篤な感染症の流行…。あまりにも広範囲です。


  ありとあらゆる緊急事態への対応、すなわち危機管理体制の頂点に立つのは内閣総理大臣、続いて内閣官房長官、そして内閣官房副長官という縦軸があります。その下に、日本の危機管理を統括する特別職の国家公務員として置かれているのが「内閣危機管理監」です。


  あの阪神・淡路大震災を受けての真摯な反省を受けて誕生したのが、内閣危機管理監というポジションです。昼夜を問わずこの国の安全に目を光らせる仕事です。野田内閣の時は、米村敏朗元警視総監を任命しました。警察畑出身とはいいながら、普段は柔和で温厚な人物でした。不測の事態が起きても慌てることなく、常に冷静沈着でした。


  緊急事態が発生すると内閣危機管理監など内閣官房をはじめ各省庁の職員は、総理官邸地下の危機管理センターに集結し、事態対処に当たります。そのため、各省庁からの情報収集や分析のための通信施設や機材、各要員が活動するためのオペレーションルームをはじめ幹部会議室、仮眠室、休憩室等のスペースが確保され、停電や地震などへの備えや厳重なセキュリティがなされています。事態が長期にわたることを想定しての食料、水、その他必需品の備蓄も行われています。


  初動対処に当たる危機管理要員は、緊急参集場所である総理官邸周辺に居住することが義務付けられています。このため、官邸から約2km以内の宿舎に住み、外出は同じく約5km以内での生活を続けています。もちろん、24時間、連絡がとれる態勢です。精神的にも相当な緊張を伴い、生活面においても相当な犠牲を強いられています。


  このような様々な危機や脅威から、国家・国民を守る体制は構築されています。しかし、国のトップである内閣総理大臣は、相変わらず官邸に隣接する公邸に住まず、富ヶ谷の私邸から通っています。8月の公邸宿泊は2回のみでした。たびたび指摘してきましたが、最大の危機管理は、総理が公邸に住むことです。

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