詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1129 『麻生大臣は辞任すべし』

2018/04/23

  「森友学園」を巡る問題では、公文書改ざん、虚偽答弁、口裏合わせなど衝撃的な新しい事実が次々と明らかになっています。その上、事務方トップの次官によるセクハラ問題まで浮上し、「最強官庁」財務省に激震が走っています。


  前理財局長の佐川宣寿氏は、先月国税庁長官を辞任しました。そして、僅か1か月後には、福田淳一氏が事務次官を辞めました。徴税事務の責任者は、国税庁次長が代行しています。次官の代行は官房長が務めるそうです。組織のトップ2人が空席というのは異常事態です。


  「適材適所」だと2人に重要ポストを与えたのは麻生太郎財務大臣です。任命権者として監督責任が厳しく問われるのは、必然です。麻生氏は前代未聞の醜態の責任をとり、大臣を辞任すべきです。そして、混乱を収拾し省の信頼回復のために陣頭指揮する役割は、一刻も早く別の人に託すべきです。


  麻生大臣の在任期間は、2月に宮澤喜一氏の記録を塗り替え、戦後最長を更新中です。ちなみに、近代日本の最初の財政責任者は、明治政府で大蔵卿を務めた越前藩主の松平慶永です。以来、約150年の間に約130名が大蔵省・財務省の長として、その大役を担ってきました。そのうち、麻生大臣の在任期間を上回るのは、初代大蔵大臣の松方正義と7度も蔵相を務めた高橋是清だけです。


  「松方財政」は激しいインフレと戦うために緊縮財政路線を推進しました。日本銀行の設立も松方の実績です。「高橋財政」は高橋が累次にわたり蔵相を務めたので実は多様な側面がありますが、大恐慌の時代に積極財政により世界に先駆けて不況を克服した手腕は、「日本のケインズ」と評価されています。


  さて、5年半近くも大臣を務めてきた麻生氏は、「麻生財政」と呼ばれるような特筆すべき成果があったでしょうか。残念ながら思いつきません。デフレ脱却は果たせず、財政再建への道筋も描けていません。財政規律は大幅にゆるみました。一方、失言・妄言は枚挙のいとまがありません。


「憲法はある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口を学んだらどうかね」(2013・7・29)。恐るべき歴史認識です。


「森友の方がTPP11より重大だと考えているのが日本の新聞のレベル」(2018・3・29)。不正を許した当事者としての責任感が欠けています。


「本人が申し出てこなければ、どうしようもない」(2018・4・17)。セクハラ2次被害を起こしかねない人権感覚です。


「5年前より今の方が悪いという人は、よほど運がなかったか、経営能力に難があるか、なにかですよ」(2018・4・18)。アベノミクスの成果を実感していない人は運がないか能なしだ、こんな景気認識の人が一国の経済運営をつかさどっていいのでしょうか。


  麻生大臣は、即刻辞任すべきです。


  

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