詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1131 『暴言罪』

2018/05/14

  麻生太郎財務大臣の失言・放言が止まりません。怪進撃中です。


  まずは5月4日、フィリピンのマニラにおける記者会見。「セクハラ罪っていう罪はない」「殺人とか強制わいせつとは違う」と、びっくりするような発言が飛び出しました。今までも「女性が名乗り出なければ事実の解明は難しい」「福田(前次官)の人権はなしってわけですか」「はめられて訴えられているんじゃないかとか、世の中に意見がある」などと、一貫してセクハラ問題を矮小化しようとしてきました。


  当初は贔屓(ひいき)の引き倒しになっているとはいえ、部下をかばう気持ちの表われだと思っていました。しかし、財務省が調査をした上でセクハラがあったことを認めた後の発言ですから、麻生大臣の本音とみるべきでしょう。大臣は1983年、「婦人に参政権を与えたのは失敗だった」と、演説しています。そもそも、女性活躍社会をめざす政権のナンバー2にふさわしくない人物だったのです。


  確かに罪名としてセクハラ罪はありません。パワハラ罪もいじめ罪もありません。しかし、このような人権侵害や嫌がらせは断じて許してはならないのです。暴言罪もありませんが…。


  5月8日の閣議後の会見においても、問題発言を炸裂させました。「どの組織だって改ざんはありえる話だ。会社だってどこだってああいうことやろうと思えば個人の問題でしょうから」と。公文書改ざんという国家的犯罪を犯してしまった組織のトップが、「ボクだけじゃないよ」と開き直っています。


  「改ざんが組織全体(財務省)で日常茶飯事に行われていることは全くない。そういった意味では、個人の資質とか、そういったものが大きかったのではないか」とも、語りました。省内で自殺者まで出ているなかで、個人に責任を押し付ける感覚は、全く理解できません。


  失言を狙ったメディアの質問や、発言の一部を切り取った感のある報道について、麻生大臣には不満があるようです。でも、相手のサッカーチームがオフサイドを狙っていることがわかっていて、何度もそのトラップ(罠)に引っかかるのは愚かです。大臣が先頭に立って財務省を改革しなければいけないはずなのに、自らが省の信用失墜を増幅しています。


  2009年、私が財務副大臣に就任して間もない頃、政務3役(大臣、副大臣、政務官)と、次官、主計局長、主計局次長など省の幹部との会議が開かれました。大きなテーブルを囲んだ会議が長引き、途中で幾つかの大皿に盛られたサンドイッチが運ばれてきました。政治家はすぐにパクつきましたが、財務省幹部は誰も手を出しません。後ろのイスで陪席していた主計官(予算の査定及び作成をする課長級職員)たちに大皿を回しました。約10名の主計官たちが1つずつサンドイッチをとり終わってから、次長、局長、次官の順に手を出しました。


  この光景に最強官庁の強さと良さを見た思いがしました。不祥事で嫌われるのではなく、本来業務で敵をつくるくらい厳しい仕事をする組織にするには、大臣が代わらなければなりません。これらのことを5月11日の衆院財金委で、麻生大臣に質しました。残念ながら、深い反省を感じることはできませんでした。


  

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