詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1143 『天命』

2018/08/06

  気温が体温を超すような半端ない暑さが続いています。わが家の風呂の設定温度(40度)を超すような地域もありました。熱中症には十分ご注意ください。このような記録的猛暑の中、戦後73年めの夏を迎えました。


  折しも、私たちが決して忘れてはならないことを改めて想起させてくれるTVドラマが放送されています。こうの史代による漫画を原作とした「この世界の片隅に」です。2年前、県立船橋高校出身の片淵須直監督によるアニメ映画版も大ヒットしました。


  戦時下の広島や呉で死と隣り合わせの困難な中にあっても、懸命に働き生きる人々の姿が丁寧に描かれています。特に、おっとりとした主人公すずが健気でいとおしく感じます。泣いたり、笑ったり、恋をしたりといった日常がいかに尊いことか、それを壊す戦争という非日常がいかに酷いかを、しみじみとつくづくと感じさせる作品です。


  その戦争を終結に導いたのが、第42代内閣総理大臣・鈴木貫太郎でした。鈴木は少年時代を千葉県野田市で送り、晩年は関宿でむかえました。総理大臣経験者は62名ですが、千葉県にゆかりがあるのは鈴木と私だけです。


  鈴木は何度も生命の危機に晒されています。子供時代は河に落ちたり、馬に蹴られたり…。海軍入隊後は航海中に海に落ちたり…。極めつけは1936年2月26日。侍従長だった鈴木は青年将校たちに襲われ、太腿、胸、こめかみなどに銃弾を浴びました。病院に運ばれた時は心肺停止状態でしたが、奇跡的に蘇生しました。


  敗色濃厚だった1945年4月、昭和天皇に強く懇請され、77歳で総理大臣に就任。陛下と肝胆相照らす鈴木だったからこそ、ポツダム宣言を受諾し終戦に導けたと思います。その3年後、「永遠の平和、永遠の平和」と最期の言葉を発し、波乱の生涯を閉じました。


  死後、荼毘に伏された遺骨には、「二・二六事件」で撃ち込まれた弾丸が混ざっていました。鈴木が九死に一生を得続けたのは、戦いを終わらせるという天命があったとしか思えません。


  終戦時、政府債務残高はGDP比で200%を超えていました。軍事費を日本銀行が全て戦時国債として引き受けていたからです。今、日本の財政は、73年前の終戦時より悪化しています。2018年度の政府債務残高対GDP比は240%を超えるでしょう。


  戦艦大和のような巨艦や零戦をたくさん作っていた時代と異なり、いま一般会計予算に占める防衛費は、約5%程度です。今日の財政赤字の最大の要因は、超高齢社会に伴い膨らみ続ける医療、年金、介護等の社会保障関係費です。


  財政破綻を回避し、財政健全化の道筋をつけることこそ、私の天命だと受けとめています。平和で豊かな社会の持続は、この世界の片隅に生きる人々の幸福を守ることだと確信しています。9年もの任期を手に入れようとしている安倍総理は、ご自身の天命を何と心得ているのでしょうか。


  

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