詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1200 『GSOMIA(ジーソミア)』

2019/12/02

  日本と韓国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)の失効が土壇場で回避されました。日韓の協議は継続されることになりましたが、かつてないほど冷え切った両国の関係を考えると予断を許さない状況です。この日韓GSOMIAを巡っては、私も翻弄された経験があります。


  日韓は「永遠の隣人」であり、お互いに引っ越すことはできません。そのことは未来永劫変わりません。ですから、私は一貫して日韓関係を強化する立場ですし、総理在任中も2国間の経済協力と安全保障協力を進めようとしました。その安保協力の柱がGSOMIAの締結でした。


  GSOMIAは軍事上の機密情報を提供し合う際に、第3国への漏えいを防ぐ取り決めです。この協定に基づいて、日韓は北朝鮮の動向やミサイルなどについての情報を米国を介さずに直接交換し、分析の精度を高めることができます。


  野田政権下の2012年6月に締結寸前までいきましたが、署名1時間前に韓国政府が国内の反日感情を理由に「ドタキャン」し、締結は延期されました。そして、8月には当時の李明博大統領が日本固有の領土である竹島に上陸し、日韓関係は決定的に悪化しました。この愚挙により、GSOMIA締結の気運は一気にしぼんでしまいました。


  2016年11月、安倍政権下で韓国・朴政権と協定を締結・署名しました。私の時にはあと1歩のところで実現できなかったことが、ようやく成就して本当に良かったと思いました。ところが本年8月、文在寅政権が一方的に破棄を表明しました。北朝鮮が短距離弾道ミサイルを連射し北東アジア情勢が緊迫している折も折、常軌を逸した「ちゃぶ台返し」です。


  思えば韓国との外交交渉は、ドタキャンやちゃぶ台返しのような急変の繰り返しです。今回のGSOMIAの失効回避も失効直前の急展開でしたが、先行きは依然として不透明なままです。


  外務大臣時代に日韓の国交正常化にむけて奔走された大平正芳元総理は、日本と韓国の関係はひとことで表すならば「業(ごう)」であるとおっしゃっていたそうです。理性によって制御できない心の働きによって左右される両国の関係を、見事に表現していると思います。


  1965年の日韓国交正常化から半世紀以上も時は移ろいました。両国がサッカーW杯を共同開催したりしたこともあります。しかし、現在の日韓関係を考えると、いまだに互いに業を背負っていると言わざるを得ません。


  ですが大切なことは、これからも両国は隣人であり続けるということです。ならば韓国が必要以上に中国との接近を図ったり北との宥和を進めることのないよう、わが国は日米韓を軸とする安保体制の重要性を理性的に説き続けなければなりません。徒労感に陥りがちですが、粘り強く対話するしかありません。


  

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