詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1218 『北総育成園の集団感染』

2020/04/08

  4月7日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発令されました。千葉県も対象区域7都府県の中に含まれています。先月末発生した香取郡東庄町の「北総育成園」における集団感染が大きく影響していると思われます。


  この障害者支援施設の設置主体は船橋市です。入所している知的障害者(比較的に重度が多い)も大半が船橋出身です。地元選出国会議員としては傍観しているわけにはいきません。また、障害者福祉施設としては全国初の集団感染でしたので、警鐘を鳴らす意味からも急きょ4月6日、衆院決算行政監視委員会の質疑に立ちました。答弁は加藤勝信厚生労働大臣等です。以下がその概略です。


Q.感染経路は特定できたか。


A.現在まさに調査中。


Q.97名の感染者の6割以上が症状なしだった調査結果から、感染しても気づかずに職場で働き感染拡大させたのではないか。福祉施設など濃厚接触が不可避な職場においては、検査の網を広げて感染の実態を正確につかみ、きちんとした対応策を打ち出すフェーズに入っているのではないか。


A.施設においてはいかに感染予防をしていくかが大事。感染者が出てくればその濃厚接触者をフォローしていく。陽性者がいない中で濃厚接触者を探すという前提にないので、PCR検査は難しい。


Q.マスクの着用を嫌がったり、環境の変化に敏感であるなど特段の配慮を伴う知的障害者が感染した場合の対応について、国は具体的なガイドラインを示すべきではないか。


A.知的障害、精神障害、身体障害に共通な部分もあるし、それぞれの障害に応じた対応を求められる部分もある。そこはきめ細かくそれぞれの施設に対して具体的な対応策を示していきたい。


Q.感染者と非感染者の区分けや移動の導線を構築して対応しているようだが、感染拡大防止に有効といえるか。


A.感染者と非感染者の接触の機会を減らすことは、感染防止として大変効果が期待できる。


Q.逆に、陰性の人たちだけを他の施設などに移す方法もあるのではないか。


A.知的障害者の中には、慣れた環境を突然離れると生活に支障を来たす方もいるため、一律に外に移すということはどうなのか。


Q.67名の職員の約半数が感染したため、事業者である「さざんか会」から人員を派遣し入所者を支援することになっているが、職員の融通には限界があるのではないか。


A.「さざんか会」は常勤職員だけでも180人を超える相応の規模の法人なので、まずは法人内での職員の配置ということに一層努力することが重要だ。


Q.職員の特別手当や緊急採用人件費や物資購入費への支援など、法人へのバックアップが必要ではないか。


A.現在検討中の経済対策の中で、通常とは異なる特別な形でのサービス提供を余儀なくされることに伴う様々な経費に対する支援を行うべく検討を行っている。


Q.結局、船橋市が10名の市職員を北総育成園に派遣することになったが、職場に戻る時の安全性チェックはどうするのか。


A.職場に戻るに当たっては専門家からアドバイスを示してもらうが、必ずPCR検査を受けるようなルールはない。


Q.マスクの備蓄数は船橋市が26万、千葉県が4万だった。備蓄ゼロという県もあった。県や市町村が備蓄しておくべき衛生資材の量については、国が目安をつくり管理を徹底すべきではないか。


A.一定の備蓄をするようにお願いしてきたが、持っているところと持っていないところとかなりばらつきがあるようだ。今回の検証をする中においてしっかりと検討したい。


Q.感染者の急増に伴い、ベッドコントロールが急務になってきたのではないか。


A.限られた地域資源、医療資源の中で効率的な対応をするために、地域の医療の役割分担が必要。また、無症や軽症な方を対象に自宅や宿泊所も体制に組み込んでいきたい。


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