詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1222 『時間との闘い』

2020/05/07

  緊急事態宣言の期限が5月末まで延長されることになりました。「接触8割削減」という高い目標実現のために、歯をくいしばって自粛を続けてきた多くの国民にとって、心が折れそうな決定だと思います。一方で、やむを得ないと思っている方も、少なからずいらっしゃるでしょう。仮に、経済を優先して緊急事態を解除したとしても、感染に対する大きな不安を払拭できる材料がないからです。


  ウイルスという見えざる敵のデータを集めて、正しく恐れることが基本です。そのためには、PCR検査を拡充するとともに抗体を持っているかどうかの免疫調査も推進し、わが国の感染実態を正確に掴み、各国の状況と客観的に比較すべきです。次の機会にはデータを踏まえて宣言を解除するか延長するかを判断し、データを使って国民にわかりやすく説明してほしいものです。


  いずれにしても感染拡大防止のため、引き続き経済活動は停滞せざるをえなくなりました。廃業や失業のリスクが益々高くなります。まずは先般成立した第1次補正予算の速やかな執行、すなわち、国民1人当たり10万円給付、中小企業を対象とした最大200万円の持続化給付金などが直ちに実行されねばなりません。そして間髪を入れず、追加経済対策を講じるべきです。


  4月24日に開催された野党党首会談において、私は「政府の足を引っ張るのではなく、尻をたたく野党になろう」と、提起しました。問題意識は共有できたと思います。飲食店などの家賃負担支援、アルバイト学生への支援、9月入学制の導入など、野党各党は積極的に政策提言しています。


  しかし、安倍政権が野党案をすぐに丸飲みするはずがありません。与党の考え方がまとまるのを待ってから対応します。その与党、とりわけ、自民党の動きが鈍過ぎます。政調会長の感度が悪いのか、一強に慣れ親しみボトムアップで政策を練り上げる力が衰えたのか、とにかく時間との闘いであるという切迫感がありません。


  時間との闘いのもう1つの妨げは、いわゆるお役所仕事です。せっかく立法措置や予算措置が行われても、その運用にあたる現場が杓子定規な対応をしていては、人々の救済に間に合わなくなってしまいます。そこで思い出されるのが、関東大震災の時の逓信省の対応です。まもなく命日(5月15日)を迎える第29代首相・犬養毅が、往時の逓信大臣でした。


  地震直後より市中の銀行が一斉に休業している中、逓信省貯金局は被災者のため郵便貯金の払い戻しに応じました。通帳を焼失し身分を確認できない被災者も窓口に殺到しました。貯金局側も台帳を焼失し、口座の残高を確認する方法がありませんでした。その時、犬養大臣は幹部を集めて明快な指示を出しました。


  「現金は言うまま払い戻してやれ。国民にとっては今こそ金が必要なのだ。こんな非常事態に、虚偽の申告をする者はいないと吾輩は信じておる」と。


  後に、不正な引出しは皆無であったと検証されました。当時の集計課長は、「私はこの輝かしい結果を見て人はまず信ずべきものであると思った」と、回顧しています。性善説に立てとまでは言い切れませんが、政府、自治体、金融機関は時間との闘いであることを肝に銘じて対応してほしいものです。


  

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