詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1257 『残念な発言』

2021/02/15

  NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」が終わりました。日本史最大の謎「本能寺の変」を起こした明智光秀を主人公とする戦国絵巻は、見応えがありました。最終回の世帯視聴率は18.4%、全44回の平均視聴率も14.4%と、久し振りに高視聴率の大河となりました。


  前作の「いだてん~東京オリムピック噺~」は、歴代最低の視聴率だったそうです。でも、私は内容的には最高だったと思っています。「女がスポーツなんてやるものではない」「嫁入り前の娘が足を出して走るなんて」という日本の女子スポーツの黎明期から始まります。


  そして、1928年アムステルダム五輪に日本代表唯一の女子選手として出場する陸上の人見絹枝。1936年ベルリン五輪で日本人女性初の金メダリストになる「前畑ガンバレ」で有名な水泳の前畑秀子。1964年東京五輪で「東洋の魔女」と呼ばれた大松監督率いる女子バレーボールチームなど。様々な壁を打ち破って女子スポーツの発展に尽くす選手や指導者の姿は感動的でした。


  特に、国民の期待を一身に背負いながら、本命視されていた100m走で惨敗した人見絹枝が「私、このままでは帰れません」と、800m走出場を直訴するシーンは女優さんの熱演に鳥肌が立ちました。その後、「足が疲れてきたら、とにかく手を振れ」という監督の指示通り、精一杯手を振って後方から追い上げ2位に入っていく実写が流れると、涙がとまりませんでした。


  東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は、「いだてん」をご覧にならなかったのでしょうか。今般の女性蔑視発言は、人種、肌の色、性別などあらゆる面での違いを尊重し、たたえ、受け入れていこうとする五輪精神に反します。今夏の東京大会の女性アスリートの参加人数は約半分です。人見絹枝にはじまる約100年の苦難の歴史を経て、東京オリンピック・パラリンピックはジェンダーの平等の到達点になるはずでした。


  重たい病気を克服して大会開催を目指してきた森会長には、執念を感じていました。文字通り命懸けだったと思います。それだけに今回の許されざる発言は残念でなりません。


  かつては無敗のヒーローだった山下泰裕JOC会長が、冬季五輪のヒロインだった橋本聖子大臣が、低姿勢で弁明する姿を見るのも切なかったです。オリンピック・パラリンピックをサポートしようとしていたボランティアまで辞退者が増えてしまいました。


  国内外の反応の厳しさを、森会長も肌で感じたのでしょう。組織委員長を辞任することになりました。遅きに失した感は否めませんが、引責は当然だと思います。


  

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