詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1274 『台湾へのワクチン支援』

2021/06/28

  揚げ足をとったり重箱の隅をつついたり、あらゆる手段を使って政府批判するのが野党の役割だと思っている人もいます。勿論、政府のチェックは国会議員(特に野党系)の重要な使命ですが、きちんと政府が仕事をした時は正当に評価すべきだと思います。


  日本政府は6月4日、国内用に調達していたアストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチン124万回分を、台湾に無償提供しました。私は、この対応に賛意を表したいと思います。


  台湾のコロナ感染対策は、今年の4月頃までは世界の模範でした。ところが、変異ウイルスにより感染が急拡大し、ワクチンの調達が遅れていました。日本の迅速な支援に対し、台湾の蔡英文総統は「自由と民主の価値観を堅持するパートナーからの、時宜にかなった援助だ」と、謝意を表明しています。


  他の先進国に比べると接種率がまだまだ低い日本が、自国以外を支援する余裕があるのかと疑問が湧くかもしれません。が、台湾に提供したアストラゼネカ製ワクチンは副反応への懸念から、わが国では当面使用予定がありません。医療従事者の接種ですら進んでない台湾は、リスクよりも迅速というメリットを選択したのでしょう。


  東日本大震災では、わが国は世界中から多大な支援を受けました。その中でも、台湾は約200億円もの莫大な義援金を送ってくれたことを、私たち日本人は絶対に忘れてはなりません。


  2011年9月14日、衆院本会議において自民党の硬骨漢・古川禎久議員が「東日本大震災が起こったとき、台湾は真心あふれる破格の支援をしてくれた。台湾とは正式な国交がないとはいえ、日本国として礼をつくし、心からなる謝意を伝えるべきではないか」と、実に筋の通ったいい質問をされました。


  総理大臣として答弁に立った私は、「ホームページや新聞広告を通じてこれまでも(謝意を)表明している」と指摘。続けて「しかし、あらためて私としても台湾からの友情あふれる破格の支援に対して、深く心から感謝申し上げたい」と、答弁しました。


  翌日台湾メディアは、「日本の野田佳彦首相は国会答弁で、東日本大震災の発生後の台湾からの友情と思いやりあふれる支援に対し、心から謝意を表明した。日本の首相としては初めて自ら正式に述べた台湾への感謝の言葉であり、しかもこれが国会での発表だった」と、大きく報道しました。


  今般の台湾へのワクチン提供は、10年前の恩返しです。困った時はお互い様です。ところが、中国外交部の報道官は、日本のワクチン支援を「政治的利己主義のための手段」に変えたと、的外れな批判をしています。げすの勘ぐりです。


  

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