詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1280 『緊急包括支援交付金』

2021/08/10

  オリンピックという宴は終わりましたが、パンデミックという世界的な感染拡大との闘いはまだまだ終わりません。


  五輪期間中に新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大しました。あわてた菅政権は、唐突に感染者の療養方針の見直しを発表しました。感染者が急増している地域では、従来、入院やホテルなどの宿泊療養が中心だった軽症者や中等症者は、今後は原則として自宅療養とすること。すなわち、入院治療の対象者は、重症者や重症化するリスクが高い人に限定する方針です。


  病床の逼迫が心配されている折柄、入院制限は妥当ではないかと思われるかもしれません。しかし、実は課題だらけであり、野党のみならず与党からも撤回や見直しの要求が沸き上がっています。その背景をご理解いただくには、7月31日の読売新聞のコラム「編集手帳」が参考になります。コロナの症状をめぐる認識のズレを、次のようにわかりやすく整理していました。


  『まず一般の人のイメージ。軽症「全然平気・風邪程度』、中等症「息苦しさは出そう」、重症「入院は必要」。ところが医師の認識は軽症「酸素は要らない」、中等症「肺炎が広がり、多くの人にとって人生で一番苦しい」、重症「助からないかも」』


  軽症や中等症から重症へ急変することもあります。症状が悪化しているかどうか、医師の往診やオンライン診療など、感染者を見守りチェックする体制は万全でしょうか。不十分であれば、独り暮らしの方など入院できずに自宅で亡くなる人が増えるのではないでしょうか。また、狭い自宅で療養となれば、家族への感染も避けられないでしょう。


  軽症・中等症は自宅、重症だけ入院という新方針は、実態は患者放置であり、医療放棄と同じです。酒類の提供を止めない飲食店に対して、金融機関や酒類販売業者を通じて圧力をかけようとした愚策は、猛反発を受けて菅政権は撤回に追い込まれました。今般の療養方針の見直しも、直ちに撤回すべきです。


  コロナ患者を受け入れる医療機関や病床の確保をなぜ怠っていたのでしょうか。今からでも医療提供体制の強化に全力を尽くすべきです。財源はあります。


  昨年度の新型コロナウイルス対策のための第1次から第3次補正予算の合計は約73兆円もの膨大な額でしたが、概算で3割弱の約20兆円も年度内に使い切れず、今年度に繰り越されています。その中には、新型コロナ患者の受け入れに協力する医療機関に配られる「緊急包括支援交付金」も含まれています。コロナ病床の確保につながると期待されていましたが…。


  緊急包括支援交付金は約1兆5千億円も予算措置されましたが、まだ約1兆4千億円が未消化です。コロナ禍に苦しむ国民の命と健康を守るために必要な医療機関への支援が、現場に行き届いていないことを猛省すべきです。手続きが繁雑などの課題があるならば、迅速に予算執行できるように改善すべきです。


  

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