詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1285 『菅総理退任へ』

2021/09/06

  男子200メートル自由形S2(運動機能)で金メダルを獲得したブラジル選手は、両腕がほとんどなく両足も短いため、全身をうねらせながら泳いでいました。序盤は顔を下向けにしてスタートし、途中で呼吸のしやすい背泳ぎに切り替え、最後は顔を下向けにしてスパート。さながら個人メドレーのような独自泳法でした。「自由形」はクロールだと思い込んでいた固定観念は壊され、泳ぎ方に制限のない種目だったことを改めて思い知りました。


  両腕両足が欠如しているか不完全な「四肢欠損」のパラスイマーたちの泳ぎっぷりは、観る者の心をわしづかみにしました。カナヅチのように沈まないどころか、力強く前に進むこと自体が不思議です。人間の無限の可能性やレジリエンス(折れない心)の大切さを教えてくれました。


  東京オリンピック・パラリンピックは終わりましたが、菅内閣の政権浮揚にはつながりませんでした。この間新型コロナウイルスの感染は急拡大し、政府の対応のまずさが際立ったからです。支持率急落にあせった菅総理は、二階幹事長らを外す人事の刷新や、解散を先行して自民党総裁選を先送りするなどの奇策を企てましたが、ことごとく党内世論に押しつぶされました。そして、万策尽きて心が折れた総理は、総裁選出馬断念に追い込まれました。


  選挙基盤の弱い自民党の中堅・若手議員らは「菅総理は選挙の顔にならない」と焦っていましたが、衆院選の顔が変わることになりホッとしているでしょう。そして、緊急事態宣言のさらなる延長が不可避の中、国民不在の党総裁選に狂奔することになるでしょう。


  しかし、国会議員による投票に加え、全国の党員・党友も投票する「フルスペック」の党総裁選を実施する時間があるなら、立憲民主党など野党4党が憲法第53条に基づき求めている臨時国会の召集をなぜ政府・与党は拒むのでしょう。


  衆議院議員の任期(4年)は10月21日までです。秋の陣ともいえる衆院選は間近ですが、解散総選挙中は政治空白となります。その前に新型コロナウイルス対策を強化する法整備や、医療体制拡充のための財源確保など、国会で議論しておくべきです。


  自民党総裁選でいくら活発に論戦しても、1本も法律は成立しませんし、補正予算が成立するわけでもありません。17日告示、29日投開票の総裁選予定を短縮し、臨時国会を開催すべきです。


  菅総理は国会の論戦を避け続けてきました。説明責任からも逃げ続けてきました。せめて退陣する直前ぐらいは、真正面から論戦に応じ、国民の不安に向き合ってほしいと思います。


  

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