詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1351 『絵に描いた餅にするな!!』

2023/02/27

  昨年12月16日、「国家安全保障戦略」など安保3文書が閣議決定されました。とても残念に思ったのは、防衛力の中核となる人的基盤を充実しようという熱意に乏しかったことです。どんなに防衛装備を充実させても、人が足りなかったら使いこなせません。


  自衛隊の前身である警察予備隊が1950年に創設されて以来、1度も充足率(定員に対する実員の比率)が百%に届いたことがありません。現時点では93%です。第1線の現場を担う「士長」「1士」「2士」は、旧軍でいえば「上等兵」「1等兵」「2等兵」にあたりますが、その充足率は8割を切っています。


  有事に対応しなければならない自衛隊の足下にも、少子高齢化・人口減少という「静かなる有事」が忍び寄ってきています。人員の確保が益々困難になるでしょう。陳腐化した武器を大量に購入するよりも、人的基盤の強化にもっと力を入れるべきです。


  宇宙、サイバー、電磁波など新しい安全保障の領域にも、専門的な人材が必要です。中国のサイバー部隊は17万人に対して、日本は540人。どうやって人を養成し、確保するのでしょうか。


  給料は安い、官舎・隊舎は貧弱。「若年定年制」により、他の職業よりも早く退職しなければなりません。多くの若者にとって自衛官が誇るべき職業であり、魅力ある進路となるための検討を急ぐべきです。このような観点から、2月8日の衆院予算委で岸田総理に質問しました。


  内閣総理大臣は自衛隊の最高指揮官です。が、岸田総理は自衛官の16階級はご存じないだろうと思い、各階級ごとの定年年齢なども例示しました。そして、待遇の根本的な改善を求めました。


  質問に取り上げて良かったと思います。2月22日、「防衛省・自衛隊の人的基盤の強化に関する有識者検討会」が立ち上がり、初会合が開かれました。生活・勤務環境の改善や処遇向上、定年の引き上げ、サイバー領域における人材の獲得などを夏までに提言するそうです。今後も注視していきたいと思います。


  2月20日の衆院予算委分科会では、加藤厚生労働大臣に児童相談所における職員確保について質しました。船橋市は令和8年4月に児童相談所の開設を目指し、建設予定地も決まりました。着工もまもなく始まりますが、スタッフの確保が心配になってきました。


  千葉県の令和4年度児童相談所関連職種の採用見込みは、大変厳しい状況です。児童生徒の相談を受ける「児童福祉司」の採用予定は55人ですが、採用見込みはわずか8人。子どもの心理ケアを担当する「心理」職種の採用予定は51人ですが、見込み26人。一時保護の児童らへの指導を行う「児童指導員」の採用予定は73人ですが、見込みは21人。保育士の採用予定は20人で、見込みは10人。


  これらの厳しい現実を大臣に伝え、児童福祉の現場を担う職員の実効性のある確保策と養成策を強く要望しました。


  

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