詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1355 『日韓正常化』

2023/03/27

  「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)で侍ジャパンが優勝しました。準々決勝までは安心してゲームを楽しめましたが、準決勝のメキシコ戦と決勝の米国戦は、呼吸するのを忘れるほどの息詰まる激闘でした。歴史に残る名場面の連続に鳥肌が立つくらい感動しました。


  迷場面もありました。3月10日の日韓戦で岸田文雄総理が務めた始球式です。砲丸投げのような投法で放り投げたボールは、上空に山なりの大きな弧を描いて3塁側に大きく逸れていきました。捕手役の栗山英樹監督が慌てて捕球に走るほどの大暴投でした。


  総理は開成高校野球部出身のはずですが、野球経験のないアイドルの女の子よりも酷い投球でした。老化? 運動不足? 五十肩? 私も同い年ですので身につまされました。


  日韓戦の始球式における球筋は悪かった岸田総理ですが、3月16日に開かれた日韓首脳会談における意見交換のキャッチボールはうまくいったようです。日韓関係が正常化することになりました。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が元徴用工問題で、日本企業の賠償を韓国の財団が肩代わりする解決策を示したことが背景にあります。


  首脳間の相互訪問の枠組み「シャトル外交」も12年ぶりに再会されることになりました。実は、日韓首脳の往来が途絶えたのは私の政権の時です。2011年10月に私が訪韓した際、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領は「歴代の韓国大統領は就任直後は未来志向の日韓関係を唱えるが、任期後半になると反日カードを使いながら支持率を上げようとしてきた。私はそういうことをしたくない」と、明言しました。


  ところが直後の12月に京都で開催された日韓首脳会談では、李大統領は時間の大半を費やしていわゆる従軍慰安婦問題の解決を求めてきました。私は1965年の日韓請求権協定によって法的には完全に決着していると突っぱねました。この険悪な会談が、翌年8月の李大統領による竹島上陸という常軌を逸した行動の伏線となりました。以来、シャトル外交は途絶えました。


  日韓関係を改善したいという尹大統領の意欲は、現時点では本物だと思います。しかし、韓国では国内世論次第でリーダーが変心したり、政権が代われば約束も反故にされることがしばしばありました。まだ安心はできません。


  とはいえ、北朝鮮のミサイルによる挑発が続くなど東アジアの安保情勢が厳しくなっている折、日韓の融和は時代の要請です。ボールはいま日本側にあります。2月8日の衆院予算委で総理に提案したように、5月のG7広島サミットに議長国・日本が韓国を招待したらいいのではないでしょうか。


  

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