詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1385 『適材適所』

2023/11/20

  私の師匠・松下幸之助は病弱でした。肺炎カタルにかかり体が弱かったために、会社勤めを諦め小さな会社を立ち上げました。自らが先頭に立って働けないから、部下を信じ「君、頼む」と任せるしかありませんでした。


  松下幸之助は学歴もありませんでした。家が貧しかったため、尋常小学校を4年で中退しています。「僕は学校に行けなかったから何も知らなかった。社員はみんな僕よりも学歴があり、いろんなことをよく知っている」と考えました。だから、「君、やってくれんか」と任せました。


  病弱で学歴もない松下がやがて「経営の神様」と呼ばれるようになったのは、「適材適所」で人を生かす天才だったからです。


  社内にどこの部署に回されても仕事が出来ず、いつも暗い顔をした社員がいました。松下はその人を見て、「君は、顔立ちが地味で良い! これからは会社を代表して、お葬式に参列する係りをやってくれ」と、頼みました。


  このエピソードには、無駄な人間は1人もいないという松下の信念が表れています。凄味すら感じます。人には必ず得意不得意がありますが、それを見つけるのがリーダーの仕事です。松下幸之助は達人でした。不肖の弟子の私にとっては、「言うは易く、行うは難し」でした。


  岸田文雄総理大臣にいたっては、「適材適所」とは真逆の人事をしてしまいました。内閣改造時に副大臣、政務官に女性を1人も任命しなかったことを問われ、適材適所の考え方に基づいて行ったと繰り返し強弁していましたが…。


  まず、山田太郎文部科学大臣政務官が、既婚者でありながら女性と不適切な関係を持っていたことを認め辞任しました。青少年の健全な育成の推進に関することを所掌する文科省の政務官として、明らかに不適格です。


  続いて、柿沢未途法務副大臣が江東区長選で有料ネット広告を提案し、選挙違反を主導したとして辞めました。柿沢氏は複数の区議会議員に現金を配ったことも認めています。法秩序の維持を任務とする法務省の副大臣の資格なしです。というよりも議員失格です。


  そして、神田憲次財務副大臣が固定資産税の滞納により過去4度、差し押さえを受けていたことが明らかになり更迭されました。徴税の責任を持つ財務省の副大臣が、滞納の常習犯だったとは…。空いた口が塞がりません。


  私も財務副大臣を務めたことがあります。予算の査定などは蛇蝎(だかつ)の如く嫌われる仕事ですが、誰かがやらなければならないので覚悟を決めて引き受けました。神田氏のように脇の甘い人は向いていません。辞めて当然です。


  これらの笑止千万の政務3役人事を適材適所と言い放った任命権者が、そもそも宰相として適材なのでしょうか。11月22日(水)午前、衆院予算委で岸田総理との質疑に立ちます。不祥事の追及ではなく、大所高所から総理の政治姿勢を厳しく質す決意です。


  

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