詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1458 『現役世代年金3割カット防止法』

2025/06/09

  私は5月21日、石破茂総理との今国会2回めの党首討論(3回めは6月11日午後6時から)において、年金法案の修正協議を提案しました。


  5年に1度の財政検証を踏まえ、年金制度改革を行うのが通例です。その今国会で最も重要な法案である年金法案は、本来は3月中旬に国会に提出されるはずでしたが、2か月遅れの5月16日にようやく提出されました。


  ところが、政府案は、就職氷河期世代も含む今の現役世代や若者の年金の底上げという肝心なところが抜け落ちた「あんこのないあんパン」みたいな法案でした。この案では、現役世代や若者の年金が、最大3割引き下げになります。


  だから、現役世代や若者の老後が生活保護や低年金にならないよう、基礎年金の底上げを盛り込む修正を提案したのでした。自公との修正協議が整い、5月30日に年金改正案が衆院を通過しました。しかし、まだ誤解している方も多いようですので、改めてご説明いたします。


  今回の年金改正案は現役世代の厚生年金カットを防止するものです。現在の年金のままでは、2057年(今から32年後)までは物価が上がっても年金額は上がりません(マクロ経済スライドがかかるため)。


  それが続くことで、基礎年金の実質価値が3割下がり、厚生年金も減ってしまうのです。基礎年金の95%は厚生年金の1階部分を占めるからです。就職氷河期世代以降の現役世代を直撃することになります。


  そこで、今回の改正案では2038年(今から13年後)からは物価が上がれば、今後もずっと、厚生年金受給額も物価上昇と同じ比率で上がるようにします。これによって、日本の年金は物価スライド(物価上昇率と同じだけ年金も上がる)となり、マクロ経済スライドは終わります。


  就職氷河期世代の方々が年金を受給する時に間に合うようにセットしました。


  この改正案を実施しなければ、基礎年金の低下に伴い、基礎年金の半額を占める国庫負担(税金)が減ってしまいます。逆に実施すると、これまでも厚生年金から基礎年金に配分されてきた「基礎年金拠出金」が増え、税金投入も減らされることなく維持され、基礎年金の低下に歯止めをかけることができます。


  この改正案によって、現役世代の年金受給額は上がります。現役世代でも年齢が低いほど、女性ほど受給額の増え幅が大きくなります。ただし、現在の受給者である一部の高齢の方々の年金が一時的に減る場合がありますので、その影響を緩和する措置を実施することを法案に明記しました。


  以上によって就職氷河期世代を含む現役世代の厚生年金等が大幅に底上げされます。


  年金の綻びは早めに修繕しなければ後々、大きな穴になって修繕不能になってしまいます。だからこそ、石破総理が訪米する直前の6月13日(金)までには法案を成立させたいと思います。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。


  

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