かわら版 No.1466 『今年の8月15日』
2025/08/18終戦から80年となった8月15日、私は全国戦没者追悼式に出席しました。総理を辞した2013年以降も欠かさず参列していますが、今回の石破総理の式辞は短いながらも独自性がありました。
その1つが、「未(いま)だ帰還を果たされていない多くのご遺骨のことも、決して忘れません。1日も早くふるさとにお迎えできるよう、全力を尽くします」と、決意を語られたことです。
先の大戦の戦没者は民間人も含めて約310万人。そのうち約240万人は海外(硫黄島、沖縄を含む)で亡くなっています。が、収容された遺骨は今年7月末時点で約128万柱にとどまります。
米国では行方不明者の捜索と発見の後、遺族のもとに帰還させる作業は、「DPAA」と呼ばれる国家機関が行っています。職員数は約600人、予算は日本の約10倍です。
本年3月31日、私はケリー・マッキーグDPAA長官の表敬訪問を受けました。そして、米兵の遺骨の収集について、これまで厚生労働省が行ってきたDNA鑑定などの技術面の協力に対し、長官から謝意が表されました。
長官は若い兵士の古ぼけた写真を見せてくれました。ペリリュー島で発見された遺骨が日本のDNA鑑定で身元が判明し、故郷に帰すことができたと、嬉しそうに語られました。
戦没者を外地に晒したままの国と故国の地を踏めずにいる兵士を懸命に探し続ける国。日米の差は明らかです。総理の実行に期待します。
衆参両院は同じく15日、予算委員会の理事懇談会で、赤沢亮正経済財政・再生相から日米関税交渉の経緯などの報告を受けました。
日本政府は既存の関税率が15%未満の品目は15%となり、15%以上の場合は従来の税率が維持されると説明してきました。ところが、こうした措置が認められたのはEUだけで、日本は7日から15%が一律に上乗せされました。赤沢大臣によると日米の食い違いは米側の事務的ミスによるものとの由。「速やかに新たな大統領令の手続きに入る」との認識を示されました。
一方で、その時期については「(米側が)適時適切に対応する」として明確にしませんでした。4月から27.5%もの関税を課せられている自動車及び自動車部品についても、いつから15%に引き下げられるか定まっていません。
日米間で合意文書をきちんと作成しなかったことが、適用時期も含めて不確実性を高めています。しかし、赤沢大臣は全く反省していません。
大臣は5日からの訪米でラトニック商務長官、ベッセント財務長官とそれぞれ協議しました。その後、ご自身のX(旧ツイッター)で「#ラトちゃんとの話し合いは割とうまくいきました」「大親日家の#ベッちゃんとも旧交を温めました」と、投稿しました。
親密さを強調したかったのでしょうが、「ちゃん付け」している局面ではないでしょう。あまりにも無邪気で幼稚です。赤沢大臣は「赤ちゃん」か?