詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1467 『日本外交の独自性』

2025/08/25

  私は19日、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏の表敬を受けました。ゲイツ氏とはかつてポリオ撲滅について意見交換したことがあります。私は彼が財団を設立し、グローバルヘルス(国際保健)等の課題解決のために、25年にわたり大きく貢献してきたことを高く評価しています。


  今回の会談でも今後20年間で総額2000億ドルを途上国支援に拠出し、5歳未満で死亡する子どもの数の縮減をめざす決意を表明されました。そして、日本による支援強化への期待を示されました。


  トランプ政権がWHO(世界保健機関)を脱退するなど、国際的に対外援助の縮小が進み、世界の公衆衛生体制が揺らいでいます。このような健康危機の時代だからこそ、ゲイツ氏に要請されるまでもなく日本は相応の責任を果たさなければなりません。


  本年1月、国連の中で事務総長、副事務総長に次ぐポストである事務次長に日本人女性として初めて就任した中満泉さんと会談しました。その時、最も印象に残ったのは、「国連分担金」についてです。


  国連の活動を支えるため加盟国が負担する分担金は、各国の経済力や支払い能力などに応じて3年に1度見直されます。2025~27年は、1位は米国で分担率22%、2位は中国で20%、3位は日本で6.9%となっています。


  「アメリカ第一主義」を掲げる米国は、国連への拠出を減額するおそれがある上、支払い時期もいつもわからないそうです。分担金が米国に迫る勢いの中国も、支払い時期が不透明との由。分担金の比率は相対的に低くなってきたとはいえ、期日どおりに全額支払う日本は、国連職員のみならず国際社会から最も信頼されている国だそうです。


  米中の覇権主義とは異なる日本の持ち味は、決まったことを律義に守り抜く姿勢です。地味ながらも信用こそ日本の真骨頂ではないでしょうか。中満さんのご示唆を日本外交に生かしたいものです。


  日米同盟が日本の外交・安保の基軸であるとはいえ、中東においてはわが国の独自性をもっと発揮すべきではないでしょうか。


  イスラエル・パレスチナ紛争は泥沼化しており、とりわけガザ地区における人道状況は危機的です。イスラエルが同地区に対する支援物資の搬入制限や配給所に対する攻撃を行っているため、連日多くの子どもを含む一般市民が飢えにより亡くなっています。


  深刻な人道危機が惹起されているにもかかわらず、米国はイスラエルのネタニヤフ政権に親和的過ぎます。わが国はこれまで築いてきた中東との関係に基づき、主体的にパレスチナ情勢に関与すべきです。


  イスラエルに即時停戦を強く促し、パレスチナにおける人道支援を、国連やNGOによる緊急的な飢餓対策を含めて、全面的に受け入れるよう圧力をかけるべきです。また、パレスチナの独立国家樹立と恒久的な和平を後押しするために、パレスチナを国家承認することを早期に検討すべきです。


  

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