
かわら版 No.1483 『令和7年度補正予算案について』
2025/12/08
高市政権は11月21日、総額で21.3兆円規模となり、コロナ禍以降では最大の総合経済対策を発表しました。そして、その財政的な裏付けとなる18.3兆円もの巨額な令和7年度補正予算案が、12月8日に閣議決定されます。
8日(月)は片山さつき財務大臣の財政演説に対し、衆参で各党代表質問が行われます。立憲民主党は衆院では安住淳幹事長、参院では石垣のりこ議員が登壇します。9日以降は衆参の予算委員会で、本庄さとし政調会長を先頭に中堅・若手の精鋭が質問に立ちます。
私は、政府の「Too Late,Too Big」(遅過ぎ大き過ぎ)な経済対策・補正予算に対して、「スピード」と「コンパクト」、つまり、即効性のある支援を適正な予算規模で実施することが重要であると考えています。この観点から今週の予算審議では、党の総力を挙げて厳しく精査していきたいと思います。
まずは足元の物価高、とりわけ食料品の高騰への対応を急がねばなりません。でも、政府案は即効性に欠けます。
たとえば「お米券」。補正予算案に計上されている「重点支援地方交付金」の拡充(2兆円)の枠で、配布されることになっています。しかし、来年2~3月に開催される地方議会で関連予算が成立しないと、執行できません。年度内(3月末)にお米が届かないのではないでしょうか。
立憲は中低所得者世帯1人当たり3万円に子ども1人当たり2万円(所得制限なし)を加算した「物価高・食卓応援緊急支援金」を提案しています。食料品消費税ゼロ実施までのつなぎ措置ですが、お米券の配布より即効性、実効性でまさっていると思います。
高市総理は、自民党の参院選公約「一律2万円の給付金」は評判が悪かったとして、予算に計上しませんでした。その代わり、子ども1人当たり2万円の「物価高対応子育て応援手当」を支給しようとしています。
しかし、物価高で困っているのは子育て世帯だけではありません。お子さんのいない方も年金生活者もみんなが困っています。したがって、より網羅的な立憲案こそ選択すべきでしょう。
もう1つのチェックポイントは規模です。巨額の経済対策は物価高を助長し、逆に国民生活を窮地に追い込みかねません。
昨年度も一昨年度も防衛予算は約1千億円以上も使い残してしまいました。にもかかわらず、防衛費の対GDP比2%水準を前倒しで達成するために1.1兆円も計上されました。年度末まで3か月余しかないのに7千億円も予備費が積み増されました。
補正予算に求められる「緊要性」を欠く支出のオンパレードです。今年度当初予算に盛り込まれなかったようなものが敗者復活しています。来年度予算の概算要求から横滑りしているものもあるかもしれません。新たに造成される、あるいは積み増しされる基金も総点検したいと思います。
11兆円もの国債発行額を減額し、中低所得者層に対する給付を盛り込めるよう全力を尽くします。