詳細 | かわら版 | 衆議院議員 野田 よしひこ

かわら版 No.1487 『「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」とは?』

2026/01/10


  トランプ米政権は昨年12月、外交・安全保障政策の指針となる「国家安全保障戦略」(NSS)を発表しました。米国が世界秩序を支えてきた時代の終わりを宣言(その後66の国際機関からの脱退を表明)し、北米・中南米を中心とする西半球における勢力圏を構築しようというものです。


  この戦略は、中国やロシアを喜ばせ同盟国を落胆させました。東半球のアジア太平洋で勢力圏を拡大したい中国、欧州で勢力圏を拡大したいロシアにとって、米国の東半球への関心が薄まることは歓迎すべきことです。


  逆に、日本や韓国は、米国のアジア地域への関与をつなぎとめる外交努力が必要です。米国はアジアよりも欧州により冷淡ですので、NATO(北大西洋条約機構)諸国はその結束力が試されることになるでしょう。


  米国のNSSは、米・中・ロの3大覇権主義国家による世界の分割につながりかねないと、疑念を抱きながら年が明けました。その心配が新年早々から現実のものとなりました。


  1月3日、米国がベネズエラで軍事作戦を実施し、マドゥロ大統領夫妻を拘束し、米国へ連行しました。独裁体制、麻薬などの問題があったとはいえ、国際法、国連憲章の観点から重大な疑義があるといわざるを得ません。法の支配という意味では、米国議会の事前承認もなかったので、国内法上も正当性が問われます。


  トランプ政権はベネズエラの国家再建を、「安定化」「復興」「移行」の3段階で進めることを明らかにしました。ベネズエラの石油の販売収益は米国が管理する方針も示しました。武力による体制転換としか思えません。


  今回の事態は、力による現状変更を否定し、紛争の平和的解決を唱え続けてきたわが国の外交方針とも相容れません。米国は麻薬取引等の米国内法違反を根拠にコロンビア等の中南米諸国への軍事介入も示唆しています。同盟国デンマークの領土であるグリーンランドへの軍事関与まで示唆しています。あまりにも乱暴な権益拡大です。


  米国はわが国の同盟国であるとはいえ、西半球における野心むき出しの権力による現状変更を認めてしまえば、東半球における力による現状変更を否定できなくなります。それは、ロシアによるウクライナ侵略を正当化することになります。中国によるアジアにおける力による現状変更も誘発しかねません。


  高市総理が掲げる「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」とは、具体的にはどのような外交戦略なのでしょうか。ご自身の不用意な発言で日中関係は冷え込み、中国の戦狼外交には後手後手対応です。米国とは「過度な対米追従」に陥っています。日本は欧州諸国や豪州、韓国等のミドルパワーと連携して、国際法等のルールを守るべきだという声を上げていくべきではないでしょうか。


  

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