
かわら版 No.1519 『総理の国会出席』
2026/10/05
10月5日召集の臨時国会の会期は12月12日まで。69日間です。召集日に高市総理の所信表明演説が行われ、7~9日に演説に対する各党の代表質問が実施されます。政府は法案21本と条約1本の提出を予定しています。
消費税減税関連法案などの重要法案に対する論戦が注目されますが、総理がどれくらい国会に出席するのかも、今国会の焦点の一つになりそうです。というのも、総理や閣僚の国会出席の削減を持論とする村井英機衆院議員が、自民党の国会対策委員長に抜てきされたからです。
その村井国対委員長がご自身のX(旧ツイッター)に、総理の国会での委員会出席は「原則不要」とする提言を紹介した新聞記事を投稿しました。この投稿が国会軽視につながるのではないかと、早速波紋を呼んでいます。
提言を公表したのは一般財団法人ネクストジャパン・イニシアティブ(NXJI)のシンクタンク部門です。NXJIが次世代の政治リーダーを育成しようと2年前に「令和政経義塾」を設立した時、私は創設メンバーの皆さんと意見交換し、松下政経塾の経験等をお伝えしました。講師も務めたことがあります。
このたび「NXJIリサーチ」がとりまとめた「総理の時間の使い方」にも、岸田文雄元総理とともに総理経験者として聞き取り調査に協力させていただきました。時の総理が面会や国会答弁に割く時間を見直し、政策判断や首脳外交といった「総理にしかできない仕事」に集中できる環境を整えるべきだ、という研究の着眼点が重要だと思ったからです。
そして、多くの官邸関係者へのインタビューに加え、過去の総理の面会記録や外国の制度の分析などによりまとめた5つの提言は、概ね妥当なものでした。党派を超えて議論する契機になればと期待します。
ただし、「国会で予算委員会を含む委員会への首相出席は原則不要とする」という提言に限っては、国会を軽視しがちな高市総理にとって「渡りに舟」になりかねないと、とても憂慮しています。
日本では総理が1日7時間にわたって国会答弁することがあります。国際的には異例です。私も週末の国際会議で「今週は35時間も答弁に立った」と言うと、各国首脳に「クレイジーだな」と驚かれた経験があります。
したがって、総理を長時間拘束する国会運営を改めることについては、与野党で丁寧に協議してほしいと思います。しかし、先の特別国会における予算委の審議時間は極めて短く、総理が出席しテレビで生中継される集中審議に至っては、総理の出席回数・時間は歴代政権に比べて圧倒的に少なかったのでした。
今週の論戦の舞台は衆参の本会議場ですが、いよいよ来週からは予算委が主戦場となります。総理が「悲願」とまでいう消費税減税関連法案や定数削減法案などの与野党対決法案については、丁寧な熟議が求められます。