
かわら版 No.1520 『皇室典範の再改正を!!』
2026/10/13
皇族数を確保するため、従来の皇室典範が認めていなかった①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持すること、②旧11宮家の男系男子を養子として迎えることを盛り込んだ改正が、7月17日に成立し同月24日に公布されました。
天皇の生前退位を実現するため、典範の附則が2017年に改正されましたが、皇室典範の本則改正は戦後初めてです。その改正皇室典範は、10月24日に施行されます。しかし、国民の理解が十分に得られているとは到底思えません。
与野党が協議してとりまとめた「立法府の総意」から逸脱した改正が行われたため、「主権の存する日本国民の総意」から乖離した内容になってしまったからです。ポイントは2つに絞られます。
まず、「立法府の総意」では、①については夫やその子どもの身分は「適時適切」に対応することになっていました。将来の女性天皇等の実現も視野に入れ、敢えて検討を先送りにしたためです。
ところが、政府がまとめた改正案は、夫や子どもを一般人とするものでした。妻は皇族、夫と子どもは一般人という不自然な家庭からは、たくさんの不都合が噴出するでしょう。夫や子どもを皇族として認めないのは、女性天皇・女系天皇の将来的な可能性を排除するためだと思われます。
次に、②の養子縁組について「立法府の総意」では、皇位継承権には全く触れていませんでした。ところが、政府案では養子本人には皇位継承権がないとしながらも、その子どもが男子だった場合は皇位継承権を有することになっていました。
国会では皇位継承のあり方についての議論は封印し、皇族数の確保に絞って議論してきました。にもかかわらず、政府は「立法府の総意」から逸脱するどころか、皇位継承のあり方にまで大きく踏み込んだのでした。
その結果、愛子様や佳子様がご結婚しお子様を産んでも、その子は皇族ではないので天皇になれません。旧11宮家から養子となった皇族が男の子をもうければ、その子には天皇になる権利が認められます。このような皇位継承のあり方を国民は望んでいるのでしょうか。
「皇位の男系継承は2600年以上にわたる皇室の伝統」と言い切る自民党幹部もいますが、歴史学の観点から実証されていません。男系の血筋の継承に固執するのではなく、継承すべき本質を踏まえるべきだと思います。
上皇上皇后両陛下(平成天皇・皇后)は被災地など全国各地に赴き、国民の傍らに立ち国民の声に耳を傾け、国民に寄り添う「象徴としてのお務め」に徹してきました。その姿勢は今上陛下・皇后陛下、秋篠宮ご夫妻、愛子様や佳子様に引き継がれています。
この「象徴としてのお務め」を重視する姿勢が継承されるための典範再改正を行うべきです。政府は「安定的な皇位継承に関する有識者会議」を速やかに設置し、女性天皇の可能性も含め、具体的な検討に着手するよう強く求めます。